都市と公園

東京の公園について調査中です。暫定的な結論は間もなく。

御茶ノ水[調査結果-1]

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万世橋からの一景

[基準駅]JR中央本線東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水

[調査範囲]神田駿河台1,3-4/2の一部、神田淡路町、神田猿楽町1、神田小川町1-3都道302号線以北、外神田2、湯島1
※以下、丁目の番号を算用数字のみで表記する(例:南砂3)

[調査した公園(語尾の「公園」は省略)]
神田淡路町2:淡路 神田小川町3:小川広場 猿楽町1:錦華 湯島1:お茶の水 外神田2:宮本
銘々の公園に関する分析は字数の都合で割愛する。

[町のデータの調査と比較検討]

町のデータを収集し、以下の点の観点から公園の分布・特徴と照合し分析した。

~三つのエリア~

土地の構成物の全体的な傾向によって調査範囲は大まかに3つに分けられる。それは、駿河台・猿楽町の明治大学、そして小川町の書店・スポーツ用品店などの「文化(大学・商業)エリア」、淡路町から駿河台東部にかけての「オフィス街エリア」、そして湯島南側の「中小企業・雑居ビルエリア」である。

ただし、駅前の茗渓通りのみは居酒屋等の飲食店で賑わう。

神田川を挟んで対岸の東京医科歯科大学順天堂大学を含めれば、文化エリアとしての地位は相当なものである。ここはやはり大学生への商売を中心に成立しているだろうか。書店がその主たるものであり、飲食店でも「学割」がちらほら見られる。また、書店・古書店も含めてスポーツ用品と楽器に関して専門店街を形成しており、わざわざ買い物に来る客も多かろう。文化エリアには杏雲堂病院や、日本大学病院等の総合病院も立地している。病院へ来る人も沢山いるだろうから、結論としては外部から沢山の人間が集まる、と言える。その結果の昼夜間人口(昼:109100人、夜:3700人)()いうことなのだろう。

ちなみに、によれば、2016年度卒業生数は学士が6959人とある。駿河台キャンパスが3,4年生の利用であることを考えれば、明治大学だけで少なくとも13800人程度が訪れていると考えられる。

夜間人口の少なさからか、公園は異様に少ない。小川広場と錦華公園がそれぞれ裏通りにあるが、小川広場についてはに以下のような記載がある。

「旧小川小跡地を利用し、広場面積を多くとることで防災時またイベントなどにも利用できるように整備した広場です。(中略)なお、小川広場は、区のまちづくり用地として次の計画が具体化するまでの間、暫定的な広場として利用するもので、計画が決まりしだい廃止する予定です。」

つまり、小川広場は暫定的で廃止予定だということだ。さらに、現在小川広場は夜間閉鎖で運用されている。となると実質錦華公園しかないことになる。錦華公園は夜間でも開放されており、ベンチも多数、遊具もあり、近隣公園の広さもある。僅かな住民はここを使えということだろうか。なお、幼稚園と小学校が併設されていて、幼稚園の園庭を兼ねていそうでもあった(不確実)。

来訪者への公園のない文化エリアとは打って変わって、オフィス街エリアでは会社員に優しい仕様となっている。まず、公園という枠では淡路公園しかないが、道は殆どに並木があり、道端には屋根付きのベンチも存在する。また、それぞれの高層ビルは正面に広場と言えるスペースを用意しており、ライトアップや噴水などが銘々施され、安らぐには十分なものだろう。淡路公園については、後述するが、ワテラス前の広場と共同管理されており、パッと見ただけでは区立公園とはわからない。遊具はなく、植え込みの仕切りと一体化したベンチや芝生にとどまるので、サラリーマンの街に特化する様子がわかる。

最後に雑居ビルエリアだが、まず湯島聖堂神田明神を挙げておきたい。それぞれが広い敷地を持ち、湯島聖堂は緑も多い。この付近で目的地となると言ったらこの二所だろう。さて、公園についてもそれぞれに面した場所に二つがあるのみである。湯島聖堂前の交差点に「お茶の水公園」、神田明神裏手に「宮本公園」がある。トイレやベンチがあって大人が使えるほか、きちんと遊具もあるので子供も遊べることが特徴である。それぞれ木々は周囲を取り囲む程度のもので、緑化と言うほどでもない。なお、湯島1の住民は466世帯693人であるから、十分なものか。

                                                                                                                             

―参考文献―

※1東京都総務局統計部(2015)「住民基本台帳による東京都の世帯と人口(町丁別・年齢別)/平成27年1月 第5表   区市町村、町丁別の世帯数及び男女別人口 文京区」

http://www.toukei.metro.tokyo.jp/juukiy/2015/jy15qa0505.xls

※2千代田区(2003)「千代田区交通バリアフリー基本構想」(平成15年10月改定)

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/kotsu/barrier-free/kihon/

※3明治大学(2016)「学部卒業生数(学位授与者数),大学院修了者数及び高中卒業生数」

https://www.meiji.ac.jp/koho/disclosure/student/6t5h7p00000157xn-att/6t5h7p00000cxz37.pdf

※4千代田区(2017更新)「小川広場のご利用案内」

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/koen/ogawahiroba.html

いずれも2017年11月閲覧。