公園の未来像
イベントの開催やカフェ・レストラン、一部では保育所の設置など、公園の活用の幅の広がりが言われる一方で、黒田隆明(2015)※1は現実について「「手入れが行き届かず雑草だらけ」「いつも誰もいない」――。公園についてこんな批判の声も聞こえてくる。“公園間格差”は大きい。」と述べる。
……こんな記事があったので、参考にしつつ公園の未来像について分析したい。
少子高齢化が進む現代では、最早かつて「児童公園」として整備された街区公園は不要となりつつあるようだ。一部活発な自治体を除けば、公園は衰退の傾向にあるのかもしれない。
この記事は実際に幾つかの事例を挙げている。まとめると、
- 既存の公園での菜園
- 子供の遊びに特化した「冒険遊び場」
- 公立公園とビル前広場の共同運用
だ。
1は富山市の例※2で、砂場跡等で野菜や花を育て、収穫した野菜を地域のイベント等で振る舞うそうだ。
2は子供が他の利用者や近隣に気兼ねなく遊べるよう特化した公園のことである。
3は区立淡路公園が挙げられていた。あの公園は隣接する「WATERRAS」のビル前広場と共同運用されており、空間の一体化によって更なる地域活性化が図られている。
これら1から3の事業はいずれも地域活性化に貢献している。2についても子供に屋外で遊ぶことの重要性を教えるだけでない。関戸まゆみ※2は、地域の人々が運営に携わる際の相互協力や当人のやりがいなどが、豊かな地域生活に貢献すると指摘している。
今や児童館や図書館、自宅でテレビゲームなど、子供は公園に行かずして遊ぶ手段を有するようになった。それは大人も然りで、また出かける際も行先は商業施設や観光地が多かろう。公園へ出かけるという慣習の薄れは明白なのだ。そんな中でも公園は役割を一層拡大し、別の形で生活の支えとなる可能性を秘めているかもしれない。
―参考文献―
※1 黒田隆明(2015)“新・公民連携最前線 PPPまちづくり”「存在意義が問われる『使われない公園』」
存在意義が問われる「使われない公園」 | 新・公民連携最前線 PPPまちづくり
※2 富山市環境未来都市推進協議会(2015) 「第3回富山市環境未来都市推進協議会資料 資料1」
http://www.city.toyama.toyama.jp/data/open/cnt/3/9959/1/04siryou1.pdf
※3 関戸まゆみ(発行年不詳)“特定非営利活動法人 日本冒険遊び場づくり協会”「代表メッセージ」