都市と公園

東京の公園について調査中です。暫定的な結論は間もなく。

事前調査の分析Ⅱ

前回、公園にはその多様な機能とそれを一手に請け負うという独自性があると分かった。が、この独自性は、「行政が設置する」という観点でしか見ていなかった。果たしてこれらⅠからⅤの機能は民間の土地で代替不可能か。もし可能であれば、それは「都市公園の空白地帯」を補完している可能性がある。…ということで、今回の内容に移りたい。

まず予想されるのは神社・寺社地である。

神社や寺院は一般に野外にあって広い敷地を持ち、緑豊かなところも多い。これでⅠとⅡは満たした。また、Ⅴについてはそこ自体が名所となる可能性があるので、無きにしもあらずと言えよう。Ⅲも神社であれば例大祭のようなものが考えられ、Ⅳも立地等によってはあり得るだろう。以上より、神社・寺社のうち一部はⅠからⅤの項目を満たす、と言える。

また、都市公園とは、法律に基づけば行政が設置したものに限るが、私人が作った広場なども性質の類似から今回の調査では同様のものとして計上してよかろう。

まとめると、私人のもののうち公園の代替の役割を果たすのは、神社・寺社の一部私立の広場である、と言える。

但し、ここに私有か公有かという問題が出ることを忘れてはならない。

私有地は、一部の人間の立ち入りや行動の制限も積極的に行える。また、目的が市民への福利厚生の意味でないことも重要である。私有の「準都市公園」では、例えば災害時に使うことはできても、行政の「対策」として頼ることはできまい。

以上より、場所的制限により残念ながら公園が設置できなかった場所を除けば、神社のとなりであろうとも公園は作られるだろう、と考えられる。

この予想については後に実地調査の結果を元に判断したい。